1234567TOTAL
大阪バベル00100001
ファイアーボーイズ00010102
今回の相手は、全員が消防隊員のガチムチ筋肉マンチーム、ファイアーボーイズ。強力打線をどう攻略するか、そして技巧派のサウスポー相手に、いかに繋ぐ打撃が出来るかを最大の課題に掲げた。
この日のスターティングメンバー。
ガラスのエース長坂が左肘のトミージョン手術を経て3年ぶりに奇跡の復活登板を果たした。また、鬼の社畜と化していた伝説のバンカー北尾が満を持しての出席。この時点で、往年のブルーバンビーノ(バベルサポーターの意)からすると涙が出るほど嬉しいことだろう。しかし今回は彼らだけではない。バベル初のヘッドハンティング選手タカダも名を連ね、これ以上ない最高のメンバーになった。
初回、精神的主柱、2番でキャプテンの森が痛烈なセンター前ヒットで出塁するが、あとが続かず無得点に終わる。
この裏のこと。長坂がマウンドに上がると、スタンドにはハンケチで目頭を抑えるブルーバンビーノの姿が。相手ベンチもレジェンドの復活にスタンディングオベーションで迎え、寺田町スタジアムは初回にして早くも歓喜の渦に包まれる。
長坂は、その期待に応えるかのようなパーフェクトピッチングを披露。現役時代のMAX153キロには遠く及ばないものの、回転数の多いストレートに落差の大きなカーブ、そしてブレーキのかかったスライダーを駆使し、ベテランらしいコースに投げ分ける丁寧なピッチングで4回までパーフェクトピッチングに抑える。
攻撃は4回。先頭のバベルGM小山が四球を選ぶと、中島を押しのけて四番にのし上がったアイドルオタクガチムチ重戦車の安田が死球。あわや顔面かという危険球に、安田の怒りが収まらない。相手投手をじっと睨みつけ、マウンドに詰め寄る安田をナインがなだめる一幕も。続く5番の離婚戦士モリモトの打席で相手キャッチャーが後逸。この間に小山が三塁を陥れるが、豚足安田が二塁を狙うもタッチアウト。絶対に一点が欲しい場面で打席に立つのはバンカー北尾。得点圏打率驚異の8割の北尾に期待が集まる中、強烈なショートゴロを放つ。相手ショートのエラーを誘い見事先制点をもぎ取ることに成功。
このまま終わるかに思えたが、ここまで完璧なピッチングを見せていた長坂が突然崩れる。ランナーを三塁に許すと、まさかのパスボール。疑惑の判定だったが、同点に追いつかれる。肩で息をする長坂はそれでも1点に抑え、年上彼女にのぼせ上がる神代にバトンタッチ。しかし、一塁手のアイドル豚足オタクのエラーに、二塁手の満デブの横着ベースカバーに神代のリズムが狂い、押し出しフォアボールでまさかの逆転を許してしまう。
最終回、是が非でも点が欲しいバベルナインは先頭の中島がフォアボールで出塁し相手のミスに漬け込み三塁まで行くが、野球経験者ながらルールを把握していないナカジーが奇妙奇天烈奇跡のランニングを見せつけ、絶好のチャンスが水の泡に。「俺にはむずかった」と謎の言い訳を、ベンチで自らに言い聞かせていたのが印象的だった。最後の打者のタカダが三振に倒れゲームセット。
2-1という接戦に敗れ、悔しさだけが残るゲームだった。
ただ試合後、幹部同士の談話で、ファイアーボーイズの幹部はバベルをこう讃えた。「バベルは大変良いチームだった。特にあのクラスのピッチャーが2人もいるんですから、大会に出ても良い結果を残せるのではないか。総じて、気持ちの良いチームでした」。学習院大のエースなどの新加入も決まり、更なる戦力アップでレギュラー争いは激戦必至。名門ファイアーボーイズ幹部のこの言葉を信じ、突き進んでいこう。バベルナイン、そしてブルーバンビーノよ、行こう、最後まで。